シミュレーション

蓄電池はやめたほうがいい。災害対策としては優秀だが元を取るのは難しい。

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こんにちはハッチです。

蓄電池って電気代を安くできたり、災害対策になるって聞いたけどやめたほうがいいの?

電気代の高騰、売電価格の低下、災害対策、このような理由で蓄電池を検討している人も多いはずです。

しかし蓄電池は、つけたほうがいいという人もいれば、やめたほうがいいという人もいます。

これだと、どちらの意見が正しいかわからなくなりますよね。

結論からいうと、

  • 経済目的ならやめたほうがいい
  • 災害対策目的なら設置したほうがいい

このようになります。

この記事ではこれらの理由について、具体的数字を用いて解説しています。

蓄電池設置の判断に役立つと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

  • 30代会社員、妻(専業主婦)と子ども(2歳)の3人家族
  • 太陽光発電アドバイザー資格保有
  • 2022年10月にリフォームローンを組んで太陽光発電を設置
  • 見積もりサイトを使ったことで長州産業7.14kwを110万円で設置
  • 保証期間内(15年間)で得られる経済的メリットは約150万円の見込み
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太陽光発電で後悔しないために

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蓄電池は経済目的ならやめたほうがいい理由

冒頭で書いたように、蓄電池は経済目的ならやめたほうが良いです。
(※ただし、補助金などで安く設置できる場合は別です)

理由は以下の3点です。

おすすめできない理由
  1. 経済効果が低い
  2. 初期費用が高い
  3. 保証期間内に元を取るのが難しい

太陽光発電とセットという前提で解説していきますので、ご了承ください。

理由1:蓄電池は経済効果が低い

現在は、売電単価が電気料金単価より安いので、売電するより、電気を買わないほうがお得になります。

昼間に太陽光で発電した電気を蓄電池にためて、夜間に使うというのが最も効果的な運用方法になります。

蓄電池の効果的な運用方法の図解

しかし当然ながら、昼間に蓄電池に電気をためる分だけ、売電収入も減ってしまいます↓

蓄電池なしの場合の売電量図解売電量500kwh
蓄電池ありの場合の売電量図解売電量290kwh

夜間の買電量は減りますが、売電収入も減るので、次の①と②を差し引きしたのが、蓄電池の経済効果になります。

蓄電池の経済効果
  1. 蓄電池で夜間に節約できた電気料金
  2. 蓄電池に充電することによって減った売電収入

蓄電池の経済効果はどのくらい?

では実際に、蓄電池の経済効果(15年間)について計算してみましょう。

次の二つのパターンでシミュレーションしてみます。

  • 太陽光発電と合わせて設置する場合
  • 太陽光発電の固定価格買取制度が終了(卒FIT)している場合
【これから太陽光発電と蓄電池を設置する場合】

まずは、太陽光発電と合わせて蓄電池を設置する場合の蓄電池経済効果です。

計算は以下の前提条件でおこないます。

前提条件
  • 蓄電池容量: 7kwh
  • 夜間の電気料金単価:30円(燃料費等調整額、再エネ賦課金を含む)
  • 固定価格売電単価:16円
  • 固定価格売電期間:10年間
  • 固定価格買取終了後の売電単価:8円

 

  1. 節約できる電気代
    9.8kwh × 30円 × 365日 × 15年間
    =  +1,609,650円
  2. 充電で減る売電収入
    (1)【最初の10年間】
    9.8kwh × 16円 × 365日 × 10年間
    = −572,320円

    (2)【11年目〜15年】
    9.8kwh × 8円 × 365日 × 5年間
    = −143,080円
    (1)(2)合計= −715,400円
  3. 太陽光発電と蓄電池を同時に設置する場合の経済効果
    1,609,650円 − 715,400円
    +894,250円
【卒FIT後に蓄電池を設置する場合】

続いて卒FIT後に蓄電池を設置する場合の経済効果です。

計算は以下の前提条件でおこないます。

前提条件
  • 蓄電池容量: 9.8kwh
  • 夜間の電気料金単価:30円(燃料費等調整額、再エネ賦課金を含む)
  • 売電単価:8円

  1. 節約できる電気代
    9.8kwh × 30円 × 365日 × 15年間
    +1,609,650円
  2. 充電で減る売電収入
    9.8kwh × 8円 × 365日  × 15年間
    −429,240円
  3. 卒FIT後に蓄電池設置した場合の経済効果
     1,609,650円 − 429,240円

    +1,180,410円

 

実際には毎日、フル充電して、使い切るというのは難しく、また劣化も含めていないので、これよりも厳しい結果になる可能性が高いです。

15年で元を取るには、この利益以下の価格で設置しなければなりません

理由②蓄電池は初期費用が高い

2023年蓄電池の初期費用の相場価格は、1kwhあたり15万円〜20万円と言われています。

先ほどシミュレーションした9.8kwhの蓄電池だと、

147万円〜196円

このようになります。

先ほどの経済効果シミュレーションで分かるように、15年間で元を取るのは難しいです。

充実した補助金があれば割安な価格で設置できますが、そうでなければ現在の価格だと厳しいですね。

理由③保証期間内に元を取るのが難しい

現在、蓄電の寿命は商品によって違いますが、

  • 6000サイクル〜12000サイクル
  • 10年〜30年

このくらいだと言われています。

ただし、まだ実績も少なく、正確なところはわかりません。

そんな蓄電池ですが、各メーカーで以下の保証期間があります。

メーカー 保証期間
シャープ 10〜15年
ニチコン 10年〜15年
長州産業 15年〜20年
オムロン 10年〜15年
テスラ 10年

 

先ほど経済効果のシミュレーションを15年としたのは、多くのメーカーで保証が15年となっているからです。

15年以上使える可能性はありますが、万が一故障した場合、修理・交換費用は自己負担になります。

つまり、保証期間内に元が取れないと、設置したことでマイナスとなってしまう可能性があるのです。

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太陽光発電だけだと損をするというのは嘘

太陽光発電だけだと損するなんて言う人がたまにいます。

実際に我が家にも訪問販売業者がきてこのように言われました。

今は売電価格が下がっているから、売るよりも蓄電池を設置して自家消費率を高めたほうが良いですよ。太陽光発電だけだと損しますよ。

断言しますが、太陽光発電だけだと損するなんてことはありません。

これは、蓄電池を契約させたいために言っている嘘、もしくは無知なだけです。

では、実際に計算してみましょう。

※今回は太陽光発電、蓄電池の劣化やメンテナンス費などは入れていません。
実際には、ここまで高い自家消費(蓄電池フル活用)は難しいかと思いますが、あえて蓄電池有利で計算しています。

太陽光発電のみ
  • 太陽光発電: 7kw
  • 太陽光発電設置費用:140万円
  • 年間発電量:8400kwh
  • 年間売電量:5880kwh
  • 自家消費量:2520kwh
  • 売電単価:16円
  • 日中の電気料金単価:35円(燃料費等調整額、再エネ賦課金を含む)

 

太陽光発電+蓄電池
  • 太陽光発電: 7kw
  • 太陽光発電設置費用:140万円
  • 蓄電池:9.8kwh
  • 蓄電池設置費用:147万円
  • 年間発電量:8400kwh
  • 年間売電量:2303kwh
  • 日中自家消費量:2520kwh
  • 夜間自家消費量:3577kwh
  • 売電単価:16円
  • 日中の電気料金単価:35円(燃料費等調整額、再エネ賦課金を含む)
  • 日中の電気料金単価:30円(燃料費等調整額、再エネ賦課金を含む)

 

太陽光発電 太陽光発電 + 蓄電池
設置費用 −1,400,000円 −2,870,000円
年間売電収入 +94,000円 +36,848円
電気代削減効果 +88,200円 +19,5510円
10年間収益 +1822,000円 +232,3580円
設置費用との収支 +422,000円 −546,420円

 

太陽光発電だけの場合は、10年間で設置費用回収できて、さらに利益がでます。

対して太陽光発電+蓄電池では、10年間で設置費用を回収することができません。

設置費用にもよりますが、今回計算したような価格であれば、太陽光発電のみの方がお得になります。
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災害対策目的なら蓄電池はおすすめ

ここまで蓄電池はやめたほうがいいと書いてきましたが、災害対策が目的ならおすすめです

経済効果がなくても、災害対策で設置したいと考える人もいるはずです。

太陽光発電単体だと、太陽が出ている間しか電気が使えず、しかも使えるのは非常用コンセントだけです。

それに比べて、蓄電池は災害対策として優秀です。

ためた電気は夜間に使えますし、商品によっては家中の電気が使えます。

あとは、どの程度の災害対策を求めるかによって商品を選択すると良いです。

簡単に蓄電池の種類について解説します。

蓄電池の種類

蓄電池には特定負荷型と全負荷型があります。

全負荷型は基本的に家中の電気が使えますが、特定負荷型は一部の電気しか使えません。

価格は少し高くなりますが、災害対策として考えるなら全負荷型がおすすめです

続いて、単機能型とハイブリッド型です。

太陽光発電で発電した電気、蓄電池にためる電気は直流で、家で使用する電気は交流です。

電気を使用するには、直流から交流に変換する必要があり、そのための機器がパワーコンディショナーです。

これが単機能型の場合だとだと太陽光発電、蓄電池それぞれにパワーコンディショナーが必要となります。

機器が増えるほどロスが生まれ、効率が悪くなってしまいます。

しかし、ハイブリッド型の場合、このパワコン1台にまとめることができるのです。

ハイブリッド型は次のよなのメリットがあります。

  • 電気の利用効率を高める
  • 設置スペースを少なくできる

しかし、一方で価格が高かったり、知識のない業者だと回路数の関係で、逆に発電した電気を無駄にしてしまうなんてこともあります。

知識のある業者に相談しながら、予算を考えて決めるのが良いかと思います
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まとめ:蓄電池は目的によって判断しよう

蓄電池で、「得したいし、災害対策もしたい」

このようにどちらの目的も叶えることは、今の蓄電池の価格だと難しいです。

どういった目的に重きを置いているのかを考えて、設置を検討することをおすすめします。

我が家としては、現時点で蓄電池を設置する予定はありません。

蓄電池の価格が下がって、さらに性能が向上するのを待っていたほうが良いかなという判断です。

しかし、今後さらに電気代が高騰していけば、経済目的で設置するメリットが出てくるかもしれません。

これから先、状況が変わってくれば、結論も変わってくるので、記事は随時更新していきたいと思います。