こんにちは!ハッチです。
太陽光発電と電気自動車を検討している中で気になってくるのが「V2H」ですよね。
- 電気自動車を蓄電池代わりにできる
- 停電時も安心
- 補助金も出る
こう聞くと、かなり魅力的なシステムに見えます。

V2Hってなんだか良さそうで気になります。
実際、私のところにもこういったご相談が増えてきました。
そこで今回は以下の内容で記事を書いてみました。
この記事の結論から言うと、「現時点では積極的にお勧めしにくい」です。
仕組み自体はとても面白いし、将来性も感じています。
ただ、充放電ロスが想像以上に大きいのが正直なところです。



V2Hが現時点でおすすめしにくい理由について解説していきますね。
V2Hの仕組みをおさらい
まずは簡単に仕組みから説明します。
V2Hは、家からEVへの充電に加え、EVから家へ電気を送る「双方向」のやり取りができるシステムです。
夜間や停電時に、その電気を家庭で使えるようにします。
電気自動車のバッテリー容量は40〜60kWh程度あるものもあり、家庭用蓄電池(10kWh前後)と比べると、かなり大容量になります。



電気自動車はバッテリー容量も大きくて、車と家の電気を双方向でやり取りできるのは魅力的ですね!
実測データで見る充放電ロスの実態
ここからが本題です。
V2Hの一番の弱点としてよく指摘されるのが、充放電効率の低さです。
太陽光で発電した電気をEVに充電します。
そしてそれを再び家庭で使う時、思った以上に電気がロスしてしまうんです。
実際にV2Hを長期運用しているユーザーの方の情報を参考に見てみましょう。
※こちらの記事を参考にさせてもらっています。詳しい内容を確認してみてください↓
日産サクラ(バッテリー容量20kWh)とニチコンのV2Hシステムを組み合わせた例です。
HEMS機器で日々のデータを細かく記録しながら、19ヶ月間運用されています。
| 期間・条件 | 充放電効率 |
|---|---|
| 19ヶ月の平均 | 47.02% |
| 効率が良い月 | 60%近く |
| 効率が悪い月 | 35〜37%程度 |
| 夜間・低消費時のみ | 21.6% |
10の電気をEVに充電しても、家庭で使えるのは5以下ということになります。
この効率のムラが大きいのは、V2H機器自体が動作中に電力を消費し続けているためと考えられています。
いわゆるアイドリング的な電力消費です。
工務店さんが運営するブログでも、V2Hの充放電でおよそ40%前後の電気がロスすると説明されています↓
複数の情報源で「送って戻すだけで電気がかなり減る」という点が指摘されています。



電気が半分も減ってしまうんですか?



そうなんです。太陽光発電は売電より自家消費がお得、という前提がありますが、この点は考慮する必要がありますね。
簡単にシミュレーションしてみると
数字だけだとイメージしづらいので、わかりやすく仮の数字で計算してみます。
仮に、太陽光の余剰電力が月300kWhあったとします。
| システム | 効率 | 使える電力量 |
|---|---|---|
| V2H | 47% | 約141kWh |
| 家庭用蓄電池 | 80% | 約240kWh |
その差は約100kWh。
電気代に換算すると、月あたり数千円規模の差になる計算です。
もちろんこれはあくまで仮の数字です。
ご自宅の余剰電力量によって、差の大きさは変わります。
なぜこんなにロスが出るのか
理由はいくつか考えられます。
- 電力変換ロス:太陽光の直流を交流に変換し、EV内で再び直流に変換する
- 二重変換の非効率:放電時にもEV側・V2H側それぞれで変換が発生する
- 待機電力・制御用電力:V2H機器の動作中に発生する
- 構造上のロス:走行用バッテリーを家庭用に転用することによる
特に大きいのが、太陽光→交流→EV充電→(放電時)EVから交流への変換です。
電気が何度も形を変えるプロセスですね。
据え置き型の家庭用蓄電池の変換効率は80%程度と言われています。
それと比べると、V2Hは構造的に不利になりやすいんです。
V2Hのメリット・デメリット
ここまでの内容を、一度整理しておきます。
- EVのバッテリーを蓄電池として活用でき、容量が大きい
- 太陽光の余剰電力を自家消費に回せる
- 自治体によっては補助金制度が用意されている
- 充放電効率が5割前後、条件によっては2割程度まで落ちることも
- 対応車種は増えているが、車種によって非対応
- 導入費用が高額
- EVが外出中は非常用電源として機能しない



V2Hにはこのようなメリット、デメリットがあります。デメリットが気になる方も多いと思うので、説明していきますね。
対応車種は事前確認が必須
V2Hは全てのEV車種で対応しているわけではありません。
例えば、テスラは独自の充電規格を使っているため、日本の一般的なV2H機器には対応していません。
新型プリウスPHEV(2023年3月発売以降)も放電非対応のため、V2H利用はできません。
一方で、
- 日産(リーフ・アリア・サクラ)
- 三菱(アウトランダーPHEVなど)
などは対応車種となっています。
最近はBYDやヒョンデなども対応が進んでいます。



対応車種は年々増えていますが、車種によって差があります。導入前は確認必須です!
停電時、実際どう使える?
ここも意外と見落とされがちなポイントです。
V2Hが非常用電源になるのは、あくまでEVが自宅にある時だけです。
通勤や外出でEVを使っている時間帯に停電が起きたら、その間はV2Hを使えません。
特に毎日EVで通勤しているご家庭は、
「日中の停電リスクをカバーできない」
この点を理解しておいた方がいいと思います。
ロスを減らせる「トライブリッド蓄電システム」
ここで紹介しておきたいのが、ニチコンの「トライブリッド蓄電システム」です。
通常のパワコンだと、太陽光用・蓄電池用・V2H用で個別に必要になるケースが多く、電気が移動するたびに「直流⇔交流」の変換ロスが発生していました。
一方、トライブリッド蓄電システムは、これら3つの役割を1台の「トライブリッドパワコン」に統合しています。




これによって「太陽光→蓄電池」や「蓄電池⇔EV」間の変換ロスを削減することができます。
ただし、EV自体の充放電に伴うバッテリー内部のロスまで無くなるわけではないので、あくまで「ロスが低減した」くらいの認識でいた方がいいです。
デメリットとしては、
- 高機能なぶん機器費用が高くなりやすい
- すでに太陽光を導入している場合はパワコンの交換が必要
このようなものがあります。
ただ、発電した電気を蓄電池からEVへ、EVから蓄電池へと、やり取りできるので非常時の安心感は違います。



EVが外出中でも蓄電池がバックアップするため、非常時でも安心です。



太陽光、蓄電池、V2Hが組み合わさると安心感が違いますね!
まとめ:現時点での私の結論


この記事ではV2Hについて解説しました。
私の結論をまとめると、



V2Hの仕組みは面白いし将来性も感じられますが、現時点では課題も多く積極的にはおすすめしにくいです。ただし、災害対策目的での設置ならおすすめです。
その理由をまとめると、こうなります。
- 充放電効率が悪くてロスが大きい
- 導入コストの高さも、まだハードル
- EVが自宅にある場合は非常時に大容量バッテリーがあって安心
災害対策目的を重視するなら、選択肢として十分アリです。
ただ、費用対効果を重視して検討している方には、今の段階では慎重な判断をおすすめします。
日々技術が進歩しており、今後大きく改善されていく可能性もあります。
(新しい情報が入れば記事を更新していきます)



我が家も現時点では導入していませんが、電気自動車(PHEV)もあるので、将来的には導入したいなと考えています。
当ブログでは、この他にも我が家の実体験をもとに太陽光発電に関する役立つ情報を発信しています。
太陽光発電を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。






